「アヴァンギャルドでいこうvol.4」Have you experienced?

Shiny Booksさんが発行する「アヴァンギャルドでいこうvol.3」に引き続き「vol.4」に私も寄稿させていただいたのだが、今回、全体のテーマとしては「リアリティ」、そして私に割り振られたのが「music」で、その枠組みのなかでどう考えても門外漢である私が悪戦苦闘しながら書いた6,000文字の文章に対して、本当にこれでよかったのかという不安が拭えない……

というのも、「vol.4」に執筆している総勢26人というのが――知っている人もいれば知らない人もいるが――私にとっては同人界隈の錚々たるメンバーで(この「錚々」という言葉があわせもつ意味に今回寄稿したエッセイとも紐づけられる気がしないでもないが……)私のエッセイは埋もれてしまう可能性が非常に高い。さらには、まったく無知な私が音楽を語ることによって共感を与えるどころか、これまでに塗りたくってきたメッキの部分を自ら剥がす結果に至らないか? という不安。

私は、力んで書いたときほどその不安が大きくなるようで、今回もvol.3に比べると特別に力んで書いた。その力みが、6,000文字の離陸を終えたいまでもできあがった原稿をはみ出し、滑走路がつづいているように、いまだにそのテーマについての思考は日常の遠くへと走りつづけていきいつのまにかみえなくなる。「Have you experienced?」内ではじぶんの考えをうまく導き出せているとは思えず、完璧な終わり方をしていないのかもしれない……

とはいえ、それがやっつけや不完全燃焼の作品であったというわけではなく、書きながら問いを考えていく、読みながら各々が考えていくというような、もともとの私の思いえがいていた、結論を丸投げする原稿のかたちにもっていけたのではないかとも思う。

冊子上のものがすべてになってしまうとはいえ、その反応を怖れるあまりここにつらつらとその言い訳を書くのもみっともないので、そろそろ作品の外から響かせる騒音はこれくらいにしておこう…… なによりも、他の方々の作品を読むのが楽しみです。


予習

2015.11.23(mon) 第21回文学フリマ東京「オ47-48」(Shiny Books)

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